
家族が集うリビングルームは、子どもにとって居心地の良い場所。
リビングで過ごす時間が長くなるほどモノも集まり、散らかってしまいがちです。
今回は、子どもならではの特徴を活かした片づけ方法で、散らからないリビングにするためのヒントを
お伝えします。
帰宅後、子どもはどこでコートを脱ぎ、カバンを置いていますか?
ただいま!と帰ってきたらコートをソファにパサっと掛け、カバンを床の上に置く。
声掛けをしなければコートやカバンはリビングに次の日までそのままの状態ということもあるのではない
でしょうか。
子どもが家の中でどのように行動しているか、動きを具体的に書き出してみましょう。
思い起こすことが難しい場合は、ぜひ一緒に動いて実際に確認してみてください。
子どもの気づいていなかった行動のクセが見えてきます。
ポイントは、何か次の行動に移るときの動き出しから約3分間を意識してみること。
おはようの後の3分、学校から帰宅直後の3分、これら3分の行動の中に、無意識に行っている
「散らかる原因」のもとが案外多く見つかるはずです。
行動の書き出しが済んだら、それを子どもと一緒に間取りに書き込んでみましょう。
行動パターンを俯瞰して見て、なぜそこに置いてしまうのかと謎解きをすることで、解決方法が見つかる
場合があります。
例えばコートなどのアウターは、子ども部屋ではなくコート掛けを玄関やリビングにつくる、バッグ置き場
は腰高の位置に変えるなど、明確な改善策が見つけやすくなります。
ここに置かないでねと何度も声をかけているのに、ソファの片すみには脱いだパジャマがいつも
置きっぱなし。
でも、床の上に放置したり脱ぎ散らかしたりせず、ソファに置くという行動が出来ています!
それならば、蓋つきのおしゃれなカゴなどを置いて、そこに入れるという仕組みにしてみてはいかが
でしょうか。置きやすい場所を定位置にしてしまうのもひとつの手です。
例えばリビングで読んでいた本など、収納場所が離れた場所にあるものを、ついその辺に放置してしまう
のは大人でもよくあること。
我が家では二階に片づけたいものは「階段にちょい置きOK」にして、上がる時に持ってあがるようにして
います。ちょい置きOKにすることで、広範囲にものが散らかることがなくなり、今やらなくちゃという、
片づけへの心理的負担が軽くなります。
おもちゃなど、どうしても散らかってしまうものは、使う場所の範囲を決めてしまうと良いでしょう。
自分が使ったものだけがある空間なら、子どもひとりでも片づけがしやすくなります。
このラグの上で遊ぼうね!と伝えたり、テーブルやソファで空間をわかりやすく区切ったりするのも
おすすめです。
遊びに集中している時、「そろそろ片づけなさい」と声をかけても、すぐには気持ちを切り替えることが
出来ないのが子どもの特徴。
例えばお父さんの帰るコールを片づけスタートのシグナルにするなど、子どもが自分で気づけるような
リセットのタイミングを決めるのも効果的です。
片づけには定位置を決めることが何よりも大事ですが、親がよかれと思って考えた収納が、子どもにとって
わかりやすいとは限りません。
カテゴリー分けにも、もしかすると子どもなりのマイルールがあるかも知れません。
どの場所に何を収めるかは、子どもと相談して決めていきましょう。
すぐ目の前にある消しゴムを、ない!と言って探したり、片づけたよ!と胸を張っているけれど、片づけた先の棚の中がぐちゃぐちゃだったり、大人の目線からは「なぜ?」と思うことがしばしばあるのが、子どもの特徴です。
発達の途中にある子どもの視野は、大人に比べるとかなり狭いと言われています。
また同様に、手の筋力や運動制御が未熟であるため、子どもは手先が不器用です。
だからこそ、子どもの目線に合った場所に、簡単な仕組みで片づく収納をつくることが大切になります。
収納用品は、なるべくワンアクションで戻せるようなものを選び、子どもが見えやすい位置に置くようにしましょう。
オープン収納は片づけがしやすいですが、おもちゃなどがざっくりと収納されている様子が、リビングでは
気になってしまうこともあります。
そんな時は、正面開閉タイプの収納ボックスなど、放り込んでフタをするだけの収納用品を選んでみては
いかがでしょうか。
※カインズ公式ホームページより画像をお借りしています。
片づいているリビングは、すっきりして気持ちいいですよね。
でも子どもにとっては、そんなことは「どうでもよいこと」かも知れません。
「学校へ行く時に探し物をしなくていいから、5分朝寝坊が出来るよ」
「次に遊ぶ時、どこに何があるかがすぐわかるから、探す時間を遊ぶ時間に使えるよ」
そんな具体的でわかりやすいメリットを伝えてみてはいかがでしょうか。
そして、「片づけてくれて、リビングがきれいになって嬉しい」というポジティブなメッセージも忘れずに。
子どもの行動の特徴や気持ちに寄り添って、親子で散らからないリビングを実現させましょう。
記事提供:収納とインテリアで暮らし最適化
株式会社アンジェ・リュクス 上野 友香子