
近年、物価上昇に伴い住宅購入費用がどんどん上がっています。それによって住宅ローンの借入額が増え、毎月の返済額が大変なことになっています。
結果として、ほとんどの方が低金利の変動金利で住宅ローンを組んでいますが、多くの方は
金利がいつ上がってしまうのかと不安を抱えています。
本日は、その変動金利の今後について考えていきます。
借入期間中に金利が変動するタイプの商品です。基本的には6カ月に1度金利の見直しが行われるが、月々の返済額が変更になるのは5年毎です。
5年の間に金利変動があった場合、月々の返済額は変わらず、元金と利息の割合が変更になります。
仮に5年後に大幅に金利が上がっていたとしても、月々の返済額はそれまでの返済額の1.25倍までしか上がりません。
変動金利は基本的に短期プライムレートを参考に決定されています。
短期プライムレートとは、優良企業向けに短期的(1年未満)にお金を貸し出す際に用いられる最優遇金利のことです。
『現状』
変動金利は過去最低水準を維持しています。短期プライムレートは2009年から1.475%を維持しており、さらに各銀行間での住宅ローン顧客獲得のための金利引き下げ争いも続いており、実行金利で0.2%台の商品も出てきております。
『今後』
昨年、日銀が長期金利を1%上限から1%目途に変更しましたが、長期金利と短期金利は連動するわけではないため、長期金利が利上げされたからといって変動金利が上がるわけではありません。
現在、短期金利が上がるという情報はまだなく、変動金利を組んでいる人がほとんどである実状から短期金利を上げると住宅ローンを払えなくなる人が続出する可能性もあり、ここは慎重になるとの見方もあります。
しかし景気が上向き、安定的な物価上昇や賃上げが実現していけば、短期金利の利上げも十分に考えられます。そのためにも今からしっかり金利上昇リスクに備えておきましょう。
対処法① 繰上返済できるように準備する
毎月の返済額とは別に追加で返済できる資金を貯めておきましょう。
繰上返済には2種類あり、期間短縮型と返済額軽減型があります。
注意点としては住宅ローン控除を利用している場合、年末のローン残高に応じて控除額が決まるので、
繰上返済のタイミングによってはローン残高が減ることにより控除額も減ってしまうかもしれません。
対処法② 借り換えする
金利が上がってしまった場合は、より金利の低い銀行へ借り換えを検討することも選択肢の1つです。
注意点として、金利が上がったら固定金利に切り替えようと思っている方も多いですが、変動金利が
上がった場合、固定金利は既に上がってしまっている可能性が高いです。
なので、同じ変動金利でより良い条件を探すのが候補になるかと思います。借り換えをする際は、
金利だけではなく、銀行への手数料や保証料、登記費用などもまた必要となりますので、その費用も
含めて得になるかどうか試算していきましょう。
変動金利は当面の間は、現状のまま進んでいく可能性が高いと考えられます。しかし、
景気が上向き始めた場合はその限りではないですし、予測してなかった事態が起こ
ることもありえます。ですので、変動金利を選ぶ際は金利上昇リスクへの対処を忘れ
ず、余裕のある資金計画で住宅ローンの支払いを進めていけるようにシミュレーシ
ョンをしておきましょう。住宅ローンを払いながら繰上返済の資金を無理なく準備
していくためのさまざまな方法がありますので、住宅ローンについてお悩みの際は
専門のファイナンシャルプランナーへご相談してみてはいかがでしょうか。
記事提供:オンリーワン・ファイナンシャル株式会社