住宅購入を検討している人にとって、物価上昇や不動産価格の高騰は頭の痛い悩みだと思います。事実、結果として想定以上の住宅ローンを組まないと納得のいく住宅購入をできないという人が増えているのが現状です。そこで今回は、太陽光発電の家計への影響についてお話ししていきたいと思います。
太陽光発電とは、再生可能エネルギーである光エネルギーから直接電気を作る太陽電池を利用した発電方法で、主に建物の屋根などに設置して発電し、その電力を自宅で使用したり、電力会社へ売電したりすることができます。
FIT(固定価格買取制度)とは、太陽光発電で発電した電力を電力会社が10年間定められた価格で買い取りしてくれる制度です。この制度は2009年にスタートし、開始当初の買取価格は1KWhあたり48円でしたが、現在は1KWhあたり16円まで下がっております。
卒FITとは、10年間の固定買取が終了した後のことを指します。卒FIT後の選択としては、大きく2つになります。
1つ目は、蓄電池や電気自動車を駆使しながら、発電した電気を丸々ご自宅で活用していく方法です。
2つ目は、引き続き電力会社と契約をして、発電した電力を買い取ってもらう方法です。
この場合、最初の10年よりも買取価格が大幅に下がってしまいますが、引き続き買取契約することも可能です。ちなみに現在、卒FIT後の買取価格は1KWhあたり約8円です。
太陽光発電を搭載すると、どれくらい家計への効果がでるのか、簡単に計算してみたいと思います。
(例)
・太陽光発電5 kWh搭載(設備価格1 kWhあたり20万円)
・年間日照時間 1800時間(全国平均1850時間)
・太陽光発電の稼働率 80%(常に100%稼働するわけではなため)
・1~10年目の売電価格 16円/1 kWh 買電価格 31円/1 kWh (全国平均)
年間の発電量
5 kWh×1800時間×80%=7200kWh
このうち、半分は自宅で使用、半分は売電したとすると、、、
売電効果
3600kWh×16円=57,600円/年
買電節約効果
3600kWh×31円=111,600円/年
合計
57600円+111,600円=169,200円/年
つまり年間約17万円を生むことができ、10年間で約170万円を生み出したことになり、太陽光発電5kWh×20万円で100万円かかったとして、70万円の経済効果となります。
太陽光発電の付属設備であるパワーコンディショナーを10年後に約20万円で買換えたとしても、約50万円ほどの効果になります。
卒FIT後については売電価格が8円/1kWhになってしまうことを考えると、蓄電池なども利用しながらなるべく買電を減らせるような形をとれると太陽光発電を載せる効果はより大きく得られるのではないかと思います。
太陽光発電は、売電価格が下がっていることからあまりメリットを感じづらいという人も多いかと思いますが、その分設備自体の価格も10年前と比べると安くなってきているため、まだまだ恩恵を受けられる方が多いのではないかと思います。
ただし、太陽光発電を設置する方角や設置するエリアによっては十分な日照を確保できず、先述のような計算にならない場合もありますので、住宅のプロと一緒に載せるべきかどうか検討してみてください。
記事提供:オンリーワン・ファイナンシャル株式会社